超音波厚さ計 測定事例

CFRP(炭素繊維強化プラスチック)の厚さ測定

CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastic:炭素繊維強化プラスチック)は、高強度かつ軽量という優れた特性を持つ高価な複合材料です。一般部材で使用されるGFRP(ガラス繊維強化プラスチック)に対し、航空機、風力発電、高級自動車、ドローン等、より高い性能を要求される製品で使用されています。
防衛産業においては、軍用機、ミサイル、ロケット、艦艇などの先端装備に欠かせない材料のため、戦略物資として扱われています。

測定例:炭素繊維強化プラスチック

CFRPは、炭素繊維シートを積層し樹脂で固めて作るため、厚みのあるCFRPを製造するには、より多くの炭素繊維シートを積層する必要があります。一方、CFRPは繊維方向には高い強度を持つものの、積層方向(厚み方向)には弱く、層間剥離が起きやすいという欠点があります。つまり、厚みを増すことで層数が増え、それに伴い密着不良や異物混入による剥離の潜在的リスクが高まります。

炭素繊維複合材メーカー様から、約4〜20mmの比較的厚みのあるCFRPプレートを頂きました。これらを超音波厚さ計で測定します。

測定例:CFRPプレート

精密厚さ計「PM5 Gen3」と、周波数5MHzの一振動子コンタクトプローブの組み合わせでサンプルテストを行いました。いずれの厚さのサンプルも、正確に測定できました。
CFRPの厚さ測定はGFRPに比べると難度は低く、比較的簡単に測定できます。ただし、底面エコーを確実に検出していることを確認するため、波形表示が可能な超音波厚さ計の使用を推奨します。

測定例:サンプルテスト

今回のサンプルは、厚さ4mm以上の比較的厚みのあるCFRPでしたので、コンタクトプローブを使用しました。より薄いCFRPを測定する際は、遅延材付きのプローブを使用してください。

厚さ計 プローブ 周波数 種別 その他
PM5 GEN3 D5A6 5MHz 遅延材付き 薄物用(1~5mm)
C5M6 5MHz コンタクト 厚物用(3mm以上)

測定風景1

測定風景2