コンベアベルトの厚さ測定
ベルトコンベアは、原料や製品を効率的に輸送するための搬送機器です。粉体・粒体・塊状物など、さまざまな種類の材料を連続して搬送します。軽量でありながら高い耐久性を持ち、耐摩耗性・耐油性に優れ、汎用性が高いことが特徴です。そのため、鉱業や製鉄業、建材・セメント産業、港湾・物流ターミナルなど、多岐にわたる分野で資材輸送に利用されています。


コンベアベルトは、ベルトコンベアの中核を担う重要な部品です。補強層・被覆ゴム・接着層の三層構造でできており、補強層には布地やスチールワイヤーを使用することで、高い引張強度を実現しています。
被覆ゴムの厚さは性能に関わる重要な要素で、摩耗が進むと内部補強層の露出や疲労破壊のリスクが高まり、最終的には破断や損傷につながるおそれがあります。
そのため、ゴム厚さを定期的に測定し、摩耗の進行に応じて残存寿命を評価することが、経済性と安全性の両面から重要です。
お客様より、超音波厚さ計によるゴム層の厚さ測定の可否を検証してほしいとのご要望をいただき、コンベアベルトのカットサンプルを送付いただきました。
測定テストを実施したところ、問題なくゴムの厚さを測定できました。
ただし、補強層が布地(繊維材料)の場合は、超音波は繊維層をほとんど透過しないため、全体の厚さは測定はできません。
一方、補強層がスチールコードでコード間に十分な隙間がある場合は、スチールコードまでの厚さと全体のゴムの厚さを測定できました。


コンベアベルトの測定では低周波プローブを使用します。
厚さが6mmまでの薄いゴムは2.25MHzのディレイラインプローブ「D2.25M13」、6~25mmは2.25MHzのコンタクトプローブ「C2.25M13」、それ以上の厚さは0.5MHzの超低周波プローブ「0.5M28」を使用します。
稼働中のコンベアベルト表面には汚れが付着しており、超音波の透過の妨げとなります。表面を綺麗に清掃したうえで測定してください。
コンベアベルトの厚さ測定方法について詳しく知りたい方や、他社の超音波厚さ計を使用していて課題をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。また、サンプルを送っていただければ、測定テストを行い、最適な測定条件をご提案します。
| 厚さ計 | プローブ | 周波数 | 種別 | 厚さの目安 |
|---|---|---|---|---|
| PM5 GEN3 | D2.25M13 | 2.25MHz | 遅延材付き | 1〜6mm |
| C2.25M13 | 2.25MHz | コンタクト | 6〜25mm | |
| 0.5M28 | 0.5MHz | コンタクト | 〜60mm |
