銅銀クラッド材(複合材)の厚さ測定
銅と銀のクラッド材(複合材)は、圧延複合、爆発複合、拡散溶接といった高度な接合プロセスによって製造される層状金属複合材です。銀(Ag)の高い導電率・熱伝導率・耐酸化性に、銅(Cu)の強度・加工性・経済性を組み合わせることで、単一金属にはない高機能な特性を実現しています。


銅銀クラッド材は、電気的・熱的特性に優れたバランスを持つため、幅広い分野で応用されています。
半導体パッケージや電子部品では、安定した導電性と放熱性を提供し、高周波機器では信号損失を抑えて信頼性を確保します。電力用導体としては、大電流を効率的に伝えつつ過熱やアークを防ぐことで、安全性とエネルギー効率の向上に貢献します。また、熱交換器や温度制御システムでは、優れた熱伝導性と耐食性により長期的な安定性能を維持し、エネルギー効率や機器の寿命延長に寄与しています。
銅銀クラッド材は、先端技術分野において重要な材料であり、今後も需要が拡大していくと期待されています。
お客様より銅と銀のクラッド材サンプルを送付いただきました。銅の厚さは約3mmで、銀の厚さは非常に薄く100〜110μmです。
通常、このように薄い膜の厚さ測定には膜厚計を使用しますが、銅と銀はいずれも非磁性の導電性材料であるため、渦流式や電磁式の膜厚計は使用できません。そこで、お客様より「精密超音波厚さ計で銀膜の厚さを測定できるかを検証してほしい」との要望があり、サンプルを提供いただきました。


精密超音波厚さ計「PM5」と15MHzのディレイラインプローブの組み合わせでテストしました。
測定の結果は非常に良好で、高精度かつ再現性の高い測定ができました。オプションのデュアルレイヤー(2層測定)機能を使用すれば、上部の銀層と下部の銅層の厚さを同時に測定できます。
クラッド材の厚さ測定についてご興味があれば、お気軽にお問い合わせください。
| 厚さ計 | プローブ | 周波数 | 種別 |
|---|---|---|---|
| PM5 GEN3 | D15A6 | 15MHz | 遅延材付き |
