卵殻の厚さ測定
卵殻の厚さは、卵の品質を評価する上で基本的かつ重要な指標の一つです。殻が十分に厚ければ、輸送や保管の過程で破損しにくく、細菌の侵入リスクも一定程度低減されます。一般的な鶏卵の殻厚は0.30~0.40mm程度であり、とくに0.35mm以上が確保されている場合には耐圧性に優れ、長距離輸送や保存に適していると考えられます。
卵殻の厚さは破損率に大きな影響を及ぼします。例えば殻厚が0.38~0.40mmであれば破損率は数%程度にとどまりますが、0.30mm前後では約1割に達し、0.25mmを下回ると大部分の卵が破損すると言われています。


卵殻の厚さを測定することで、輸送や保管時の破損リスクだけでなく、ニワトリの健康状態や飼育環境が分かります。殻が薄いとカルシウム不足、ビタミンD不足、ストレスなどが疑われます。また鳥類全般では、卵殻の厚さは進化的特徴や生息環境(高地・乾燥地・湿地など)と関係があり、研究目的でも卵殻の厚さが測定されています。
非破壊での卵殻の厚さ測定には、光学・画像測定や、X線、超音波による測定があります。超音波厚さ計は、ハンディタイプのため現場で簡便に使用できることが特徴で、工場のオフラインや研究室・フィールドでの測定で用いられています。
超音波厚さ計での卵殻測定では、ペンプローブを使用します。ペンブローブは先端が細く、測定面に対して垂直を維持することが難しいため、専用のホルダーを装着します。これにより測定が安定し、正確な厚さを得ることができます。当社での測定テストでは、ホルダーの装着により10μmの精度で卵殻の厚さを測定できました。
| 厚さ計 | プローブ | 周波数 | 種別 | その他 |
|---|---|---|---|---|
| PM5 GEN3 | V260-SM | 15MHz | 遅延材付き | ペンタイプ |


