超音波厚さ計 測定事例

合わせガラスの厚さ測定

合わせガラスは、2枚のガラスの間にやわらかいフィルムを挟み込んだ構造のガラスです。フィルムとして代表的に使われるのは「PVB(ポリビニルブチラール)」と呼ばれる特殊な樹脂で、熱と圧力をかけることでガラスと強力に密着します。このフィルムのおかげで、ガラスが割れても破片はフィルムに貼り付いたまま残り、飛び散らないため安全性が高くなります。
合わせガラスは、衝撃に強く、視界もクリアで見やすいのが特徴です。そのため、コクピットの窓や自動車のフロントガラス、防弾・防爆用設備、建物の防犯ガラスなど、幅広い分野で利用されています。

測定例:合わせガラス

測定例:コクピットの窓ガラス

コクピットの窓ガラスは、複数枚の特殊なガラスの間に PVB(ポリビニルブチラール)フィルム を挟んで作られています。高速飛行中の強風や悪天候、予期せぬ衝撃に耐えられるよう、高い強度・耐衝撃性・透明度 が求められます。このため、フロントガラスは定期的に検査が行われ、厚さや強度が規定通りであるか厳しく管理されています。

『航空機のフロントガラスにひびが入り、緊急着陸した』というニュースがまれに報じられることがあります。これは重大な事故を未然に防ぐために行われる予防的措置であり、同時に合わせガラスが破片の飛散を防ぐことで、安全性が確保されている証でもあります。

ガラスメーカーから、フロントガラス用の合わせガラス製品のサンプルをいただきました。超音波厚さ計「PM5」の多層測定(マルチレイヤー)オプションを使用し、各層の厚さを同時に測定できるかテストしました。
測定結果は良好で、片側からの測定で、ガラスとフィルムの計3層のそれぞれの厚さを同時に測定できました。

多層測定では、1層目の厚さは反射波1の伝播時間、2層目の厚さは反射波1と反射波2の伝播時間差、3層目の厚さは反射波2と反射波3の伝播時間差から厚さを算出します。「PM5」の多層測定(マルチレイヤー)は、最大5層までの同時測定に対応しています。

合せガラスやクラッド材で、複数層の厚さ測定をご検討中のお客様は、お気軽にお問い合わせください。

合わせガラス製品サンプルテスト

3層合わせガラス測定イラスト

厚さ計 プローブ 周波数 種別
PM5 GEN3 D15A6 15MHz 遅延材付き

測定風景