超音波厚さ計 測定事例

ゴムの厚さ測定

天然ゴムは中南米が原産です。大航海時代を経てヨーロッパに伝わり、20世紀初頭の自動車の普及とともに爆発的に需要が増えました。第二次世界大戦中には、アメリカおよびドイツで合成ゴムの生産が飛躍的に伸び、現在では天然ゴムを凌ぐ生産量があります。
ゴムは、耐摩耗性、絶縁性、耐薬品性に優れており、工業分野ではその特性を活かし、輸送機器のタイヤやホース、鉱山や製鉄所のコンベヤベルト、化学プラントのタンクや配管のライニングなどで使用されています。

このページでは、排煙脱硫システムで利用されているゴムホースのカットサンプルの厚さ測定を紹介します。

測定例:天然ゴム

測定例:ゴムホース

超音波厚さ計は、ハンディサイズのため現場での使用に適しています。測定箇所にプローブを当てるだけで瞬時に厚さが表示されます。
供用中のゴムホースの厚さ測定に最適で、現場で簡単に実施できます。

右の写真はお客様から頂いた排煙脱硫システムで使用されているゴムホースのカットサンプルです。

鉄やステンレスなどの金属と異なり、ゴムでは高周波の超音波が著しく減衰します。減衰の度合いはゴムの種類により異なりますが、少なくとも2.25MHz以下の低周波プローブで測定する必要があります。

測定例:ゴムホースのカットサンプル

測定風景

超音波厚さ計「PM5 Gen3」を用い、サンプルテストを実施しました。
汎用の2.25MHzおよび1MHz、さらに特注の0.5MHz(500kHz)の低周波プローブで評価を行った結果、0.5MHzプローブが最も良い結果を示しました。 0.5MHzのプローブでは、厚さ70mmの測定においても鮮明な底面エコーが表示され、理想的な結果が得られました。

ゴムは、超音波厚さ測定が最も困難な材料の1つです。測定を検討中のお客様は、サンプルテストの実施をお勧めします。お気軽にお問い合わせください。

厚さ計 プローブ 周波数 種別
PM5 GEN3 0.5P28 0.5MHz コンタクト