超音波厚さ計 測定事例

小径管(パイプ)の厚さ測定

小径管は外径が2.0~8.0mm、肉厚は0.1~2.0mm程で、特殊産業や精密機器分野で幅広く活用されています。例えば、温度センサーや圧力計、導電計測用チューブなどの計測機器、自動車用アンテナや通信アンテナが挙げられます。また、筆記具部品や漁具用ブイ管、釣竿などのレジャー・産業用途においても利用されています。

高精度ステンレス鋼管は、冷却管や熱交換コイルといった熱機器、電子用マイクロチューブや光ファイバー継手、光学系ミキサーなどの先端技術分野に欠かせない部材です。ウォーターディスペンサーの吐水パイプなど、日常生活に密接した製品にも用いられています。

測定例:小径管

ペンプローブでの測定

測定に適したプローブの選定は、検査プロセスにおける重要な第一歩です。材料や厚さ、形状などを考慮したうえで選定します。特に管径が小さく曲率が大きい場合、一般的なプローブでは測定面に完全に接触できず、エコーが不安定になったり検出できないケースがあります。

このような条件においては、ペンプローブの使用が有効です。ペンプローブの先端は細いため、半径の小さい曲面や凹面にも適応できます。先端の細さの為、測定面に対して垂直を維持することが難しいですが、専用のホルダーと組み合わせて使用することで、測定面への接触が安定し正確な測定値を得ることができます。ペンプローブ使用の際は、ホルダーの使用を推奨します。

ペンプローブとホルダー

厚さ計 プローブ 周波数 種別 その他
PM5 GEN3 V260-SM 15MHz 遅延材付き ペンタイプ

各種小径管イメージ

ペンプローブを使用してた測定例1

ペンプローブを使用してた測定例2

ペンプローブを使用してた測定例3

ペンプローブを使用してた測定例4

遅延材加工による測定

お客様から、自動車エンジン周りで使用されているゴムパイプのサンプルをいただきました。 直径10mmに対し厚さが3mmと、直径に対し厚みがあること特徴です。

はじめに、ペンプローブとの組み合わせでテストを行いましたが、底面エコーが確認できず測定できません。ゴムは超音波の減衰が大きいため、高周波のペンプローブでは超音波が減衰し消失してしまうようです。

このため、遅延材付きの2.25MHzのプローブを使用し再度テストしました。底面エコーは検出できましたが、ゴムチューブの曲率のため、2.25MHzプローブの先端が密着せず測定が安定しません。解決のため、遅延材の先端をゴムチューブの外径に合わせて研磨したところ、遅延材が測定面に完全に密着し、安定的に測定できるようになりました。
当社では、お客様の測定用途に合わせたカスタマイズも実施しています。お気軽にお問い合わせください。

測定例:ゴムパイプのサンプル

自動車エンジン

厚さ計 プローブ 周波数 種別 その他
PM5 GEN3 D2.25A13 2.25MHz 遅延材付き 遅延材先端を加工

測定例:小径管の測定イラスト

測定風景1

測定風景2

測定風景3