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内挿プローブを使用した配管検査

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内挿プローブによる渦流探傷は、石油化学・発電プラントや空調機器等の熱交換器に用いられる伝熱管、各種気体・液体等の輸送管、シリンダーのような機械部品の穴等の、表面および表面近傍きずの検出手法です。

ここでは、基本的な内挿プローブを用いた、金属管の腐食などのきずを検出する方法を説明します。 磁性体の金属管に適用する場合は、磁気ノイズを抑制するために、直流磁場を発生するコイルや永久磁石の組み込まれたプローブを用います。

測定方法

渦流探傷器に、以下の値を参考にして、必要項目の設定を行います。

周波数 ローパスフィルター ハイパスフィルター 感度 画面 プローブ
10kHz 100Hz 0Hz 40dB 位相平面 自己比較方式
(ディファレンシャル)

※上記値は代表的な値です。測定物の肉厚・材質や使用するプローブ等に応じて適切に設定・調整してください。

画面
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  1. 内挿プローブを、金属管の手前端部からプローブが隠れる程度で、きずや他の構造物が無いと思われる所に挿入してください。
  2. プローブを動かさずに「NULL」ボタンを押します。
  3. 次に、プローブを金属管内で軽く振って、リフトオフ線が座標の中心から左右に移動するように、位相角を調整します。
  4. プローブを金属管の反対の端、または検査したい部分より少し先まで挿入します。
  5. プローブのケーブルを一定速度で引いて、プローブを金属管内で移動させます。
  6. 画面に表示された信号で、横方向の動きはプローブの移動に伴う雑信号となり、縦方向成分が欠陥などによる指示信号と捉えることができます。

探傷器の画面に表示される信号と、その信号が観測された時の引き抜いたケーブルの長さから、きずの大きさや、きずの位置を、ある程度推測することができます。

対象となる金属管によっては、同一材質・形状の金属管で「試験片」を作成し、その貫通穴を画面上135度となるように位相角を調整すると、管の内外面のきず判定・評価を行うことも可能です。

また、プローブを単一方式(アブソリュート)方式に変えて適切な設定・条件で測定を行うと、金属管の熱影響のような、きず以外の検査も行うことができます。(導電率の測定を参照)